wakudeki

感想の練習

rain - 雨の夜を往く

 

rain

rain

 

 タイトルに作品タイトル以外にも一文入れたいのだけど思いつかない。

 

あらすじ

ある日、少年は雨の中に「透明な少女」を見つけた。
怪物に追われる彼女を追いかけ、彼は家を飛び出し、
いつのまにか、不思議な場所へと迷い込んでしまう…
そこは、雨の降る夜の町
誰もいない世界で、少年は迷子になってしまいます

そして、気が付くのです
自分自身も姿を失っていることに…

夜の町、透明な存在、少女の行方

すべてを雨が映し出す

(公式サイトより)

あらすじ文がなんとなくこなれていない。

 

ざっくりとした感じは「ICO」に近いボーイ・ミーツ・ガールの雰囲気ゲー。夜、雨の降りしきる町を一人きり、或いは透明な少女と二人で、襲い来る怪物の目を避けて進んでいく。

謎解き要素はあるものの、かなり説明が丁寧な上、何度か死ぬとセレクトボタンでヒントが見られるので、攻略を見なくても詰むことはそうないだろう。敵に殴られると一発で死ぬオワタ式だけどすぐに近いところから再開できるので、ストレスはなくさくさくできる。

どうやって進むのか手探りで探していく一周目は怖いけれど楽しい。しかしほとんど一本道で、特に遊び要素はないのであまり周回したいとは思わない。そう思うと少々高いようにも感じる。(一応二周目から回収できるアイテムはあるが) ちなみに私は恐る恐る進んだので一周目で3、4時間かかった。二周目は2時間程度。値段対とは別にして、気楽にできる長さであるのは良い。

 

雨の夜、洋風の少し古めかしい町並み、街灯の灯りが雨に反射して辺りを照らす、背景とその雰囲気は文句なしに良い。

雨の音と進む足音、ノスタルジックなBGMと、背景に沿うように表示される文字も雰囲気を盛り上げる。背景に沿わせて文字が出るのがとても良い。通り過ぎると消えるので一周目ではわりと読み損ねてしまったが。

怪物たちもまた、どれも恐ろしくてよい。特に執拗に二人を追いかけてくる人型の怪物の不気味さ、恐ろしさは格別。右手に持った棍棒を力いっぱいに振り回す様は恐ろしく、指揮棒のようなものを指してきょろきょろと辺りを探す様は緊張感を煽る。

 

ストーリーはかなり単純で、もう少し捻りが欲しかったと言えばそうかもしれないけれども、そんなもんだろうという感じ。

OP、EDの絵が私はあまり好みでなかった。また、音楽が良いのだけれど使い方が少々うまくないように感じた。そこまで気になるほどでもないが。

ドビュッシーの「月の光」をメインテーマとしているが、月光は特にストーリーには絡まない。「光」自体は絡むが。絡まなくても幻想的な雰囲気とドビュッシーは合っているが、折角メインテーマにするならもう少し絡めてもよいのでは。

あまり褒めていないけれど雰囲気ゲーが好きなのでそれなりに満足している。

 

 

以下、ネタバレ。

怪物たちは少女の病で、雨は一人部屋にいた少女の心象風景のようなものだと私は解釈した。つまりあの夜の雨の町は少女の世界であり、そこから病を追い出して、目覚めとともに姿を取り戻した少年が少女を起こして物語は終わる。

チャプター6で少女が自身を起こすことをやめたのは、そうしたところで怪物(病)がい続けることには変わりがないから、或いはそうしてしまうと透明なままの少年が一人取り残されてしまうからだろう。

少女が少年を起こしたのと同じ言葉で、少年は少女を起こすのだけど、台詞のないストーリーでそうした台詞ネタをするのは少し良くないというか、効果的でないように感じた。流れとしては好きだけど。

 

 

粗はちょろちょろあるが、雰囲気作りはとても巧く、透明な主人公が雨の中を行くというゲーム性を出オチでなく一貫して楽しませているのはすごい。そう思えばボリュームも丁度いいというか、適度であると感じる。

主人公が並んだロッカーのひとつに隠れて、怪物が順にひとつずつ開け中を確認していくところはとても臨場感があった。

ぜひまた良い雰囲気ゲーを作ってほしい。チャプター7の怪物が作り出した町並みも好きです。