wakudeki

感想の練習

戦国BASARA 4 (1)

 

戦国BASARA4 (1) (電撃コミックスNEXT)
 

 ネタバレあり。

 

4は3のようなほぼ一本通ったストーリーがあるのではなく、以前のようにキャラ毎にばらばらのストーリーがある形式に戻ったので、恐らくメインのストーリーというか、お約束がどれであるかはこれから明らかになっていくのだと思われる。(2の場合は伊達が川中島へ乱入する、等)

なので今作ではどのルートを取って一本の筋にしてくるのか、楽しみにしていた。予想としては、メインとなるのは伊達ドラマ。伊達が主人公のようだから、そこを採りつつのラストは伊達創世かな? 小十郎には小十郎創世のように少し勘違いしておいてもらって、ラストで竜王撤回の「やはり政宗様は変わってねえ」と安心エンドなのではないだろうか。

しかし足利さんを放っておくわけにもいかないだろう。他のキャラもある程度は出さねばならない。どうするのだろう。

絵もなかなかかっこいい。吉原さんはよくTwitterにラフや線画をアップしているが、それらも見ていて楽しい。線画がとても細かく、線が綺麗。

 

しかしbsrがキャラが多く、さらになかなか特徴的というか、微妙な言葉遣いのキャラクターが多いので、口調の間違いは本当に多い。間違いとまでは行かずとも、「こういう言い方はしないよなあ…」ということが多々ある。今作でも少しあったので、公式はちゃんとチェックをしてほしい。

 

始まりは天政奉還、帝が将軍をやめるところから。

まずはメインどころの意気込み等。毛利はやはり天下を狙っている様子。おまえは本当にどうしたんだ。安芸さえあればと言っていたのはどうなったのか。

それとゲームのときから不思議なのだが、天政奉還の前、武将たちはどうしていたのだろう。正式に帝の命で各地を治めていたのだろうか? 一部を除き、あまりそういうことをするとも思えない人ばかりなので謎だ。帝は徐々に権威が弱まったわけでもないようだし。足利さんが将軍をしている中で勝手に好き放題していたのだとしたら、それを帝が放っておくのも問題だろう。よくわからない。

天政奉還がなされたとき、既にそれぞれ関係や過去があるというのが、なんと言うべきか、より箱庭感が増す。織田も豊臣も既に猛威を振るう勢力となっていることが更に。こういう設定ね、こういう過去ね、とすべて整えられたところで足利さんが天政奉還というカチンコを鳴らしてカメラが回り始める感じ。過去にあるのは言葉としての設定を詰めたブラックボックスであり、時間と出来事を伴う半生ではない。

これはアクションゲームというストーリーが添え物となるものであったとしても、創作物としては致命的なのでは、と個人的には思う。人間は突然発生するものではない。とは言え、4ではループが示唆されているのでそういう歪な世界でも良いのかもしれない。

 

 

博打中毒の左近を描くには下町の描写が切り離せないわけだが、そこに三成や大谷さんがいる描写があるのはなかなか感慨深い。めちゃくちゃ浮いてる。

ストーリーで台詞としてのやり取りがあっても、モブ武将たちに傅く勝家を実際画で見せられるのもなかなかクるものがある。

今回伊達が乱入するのは信濃へ向けて進軍中の、勝家率いる織田軍。乱入を計るのは三成率いる豊臣軍だ。

それにしても小十郎がわりとまともで優しい(前作までに比べて)面倒見のいい伊達に違和感を感じているのがなんとも面白い。いいことなのでは? 「王」になることへの不安はわかるけれども。面倒見はわりと以前から良かったので突然のことではないのだし。確かに4は奇妙なほど優しいが。

進軍画面だけならともかく、三成がストーリー中で馬より速く走っていると面白すぎるのでつらい。疲れるだろうし馬に乗ってくれ。左近が素直に感心しているのがまたつらい。そして左近も負けじと走っている。どういうことなんだ。なぜ馬に乗らない。つらい。せめて左近は馬に乗ってくれ。そういうギャグ大好きです。

 

ところで伊達は4で勝家に未来(光)を見せるわけだが、そのへんの設定はもしかしてHD版ドラマCDのSoul Revolutionを踏襲していたりするのだろうか。(概略:信長の瘴気により正気を失った人々は、伊達の目を見ることによって明るい未来を見て、正気を取り戻す)だとしたら面白い。

 

勝家は伊達に負けてさっさと織田を抜けてしまった。と言うよりも殺す代わりに伊達に連れ去られた。勝家は明智とのやり取りがかなり好きなので、少し残念。

勝家には「王」の恐怖が刷り込まれているが、伊達との出会い、戦い、言葉を交わすことで光を見出して行く。このあたりのことは、ゲームだとかなりさらっとしか描かれないので、実際に会話や、出来事が描かれているのが良い。食事のシーンはとても伊達らしいが、意外と描かれたことのないシーンであり、好きだ。

その一方ちゃんとゲーム通りの台詞やムービー(関ヶ原対戦ムービー等)も再現してくれるのでサービスが良い。ムービーは大抵くそギャグなので若干テンションが変わって浮きがちだが。オープニングからの構図もある。

ちなみに関ヶ原ムービーについてだが、三成が「家康!!!」と突撃するのはわかるとして家康が三成に突撃するのは本当に謎ですよね。しかもちゃんと怒った顔をしているし。よくわからない。三成がそうしてきたから押されないよう同じようにしているだけかなと思っているが、どうなんでしょう。

左近と家康はあまり面識がない様子。本当にどうなってるんだ。左近に会ったのが家康謀反後だったら三成は左近を拾わないのではないだろうか。拾ったのはあの男(家康)を思わせたからのようだし。

そして三成の帰参、報告より先に半兵衛はどうやって状況を聞いたのだろう。三成が最速そうだが……  忍か鷹あたりだろうか。

 

一巻は左近と勝家の出会いで終わり。次刊予告らしいページで、2ページ、真田の出陣する様子が描かれている。

左近と勝家の出会い方はオリジナルの展開ながら、自然かつbsrらしくて良い。

松永ドラマの要素も入り、どこまで盛り込んでくるのかかなり楽しみ。全体的に、これまでのコミカライズの中でもかなりクオリティの高いものとなっているように感じる。続刊に期待。