wakudeki

感想の練習

江戸のえじそん 7月12日(土)昼

結論としてはつまらなかったので、そうした意見を読みたくない方はご注意ください。ネタバレも少し。

あらすじ

時は、天変地異が多発した江戸中期。頑に鎖国を強いる幕府。に対し不満を抱く勢力も増え出した。
これに動揺した幕府は、一人の発明家、平賀銭内という男を牢獄から出す。
異国の技術を操り奇天烈な発明をする男としてかつて捉えられの身としたが、
その奇天烈な発明でもって、対抗勢力を一掃する兵器を作れと命令が下る。
その頃、反幕勢力の一派にも平賀の噂が入り、紅ばちという女剣士が平賀を暗殺するべく立ち上がる。
遂行する日は、平賀が呼ばれる幕府主催の会食の日。
平賀は自分の発明のことをわかってもらおうとカラクリ人形のオデンを見せるが、
古い考えを持つ幕府の重臣たちには妖術使いだと揶揄される。
憤慨したままの帰り道、平賀は女剣士紅ばちを筆頭とした反幕勢力に襲われる。
援護にきた幕府側の攻撃を受け怪我を負ってしまう紅ばちだったが、平賀に命を救われた事を機に
次第に平賀という男に対する考えが変わり始める。
時代と幕府と反乱軍の狭間で、果たして平賀は、どのような結論をだすのか・・・

 (公式サイトより)

文章もあらすじとしてのまとめ方も下手ですごい

 

スタッフ、キャスト

演出・脚本:なるせゆうせい
企画・製作:キティエンターテインメント
プロデューサー:多賀英典

 

平賀銭内:中村誠治郎

靴磨き:小谷嘉一
耳丸:聖也
偏平足:吉岡佑

からくりオデン:はねゆり
紅ばち:杉ありさ

むこうみず:山崎雄介
田沼意次:祁答院雄貴
八百比丘尼:西岡優妃
あぶく:AKANE
杉田玄白:チング・ポカ
不土踏:大力
野次之介 他:長田庄平
(チョコレートプラネット)
野次郎/
下痢之介 他:松尾駿
(チョコレートプラネット)
村長 いぶき:小栗銀太郎
弥次郎兵衛/村に来る兵長:岡野大生
大家 でくのぼう 他:ナカムラアツシ
大家の鬼嫁 他:川手ふきの

九十九:平野良
早矢手:山口馬木也

 

総括

脚本がつまらなかったし拙く感じたし好みではなかった。キャラクターは好きな人もいたし、好みでない人もいた。

舞台の長さとしては長すぎず、短すぎず、適切であると思えたが、行っている内容が似たようなやり取り(誰かが投獄され、助けに行く)の繰り返しであるので、冗長に感じる。

 

感想

今回見に行ったのは、中村誠治郎と小谷嘉一、平野良が好きだったからである。

発表のときから前二人の名が並んでいたのは、先日この二人でのトークイベントがあったことが関係あると思っている。そのイベントは東京の昼に一度行った。

イベント決定当事二人は特別仲が良かったわけでなく、単純に舞台・戦国BASARAで人気の高い二人を選んだだけであるように感じた。実際私も二人の演じる石田三成毛利元就は好きだ。二人ともそのイベントを通して打ち解けたようなので、特にそこに思うところはない。(よくあることだと思うし)

今回の舞台はそれに一部乗っかってのキャスティングであると思われる(PR動画もこの二人だったし)が、その割には特に二人の絡みはなく、また、二番目に載っている割に靴磨き(小谷)はちょい役だ。キャラを削るとしたら真っ先に削られるだろう。絡みがないことに関しては、BASARAでも特に絡みのある関係ではないので疑問はないが、二番目に載せながらここまでちょい役にするのは如何なものか……と思わないでもない。実際の準主人公は紅ばち、男から選ぶのであれば銭内の元相棒であり今は幕府に仕える早矢手だろう。

 

舞台は異国の技術を用いる銭内が妖術使いとして投獄され、処刑を待つシーンから始まる。ここから突如、反幕派に対抗する兵器を作ることを条件に釈放されるのだが、色々あって最終的には再び(正確には三度だったかな?)捕らえられ、処刑を待つこととなる。これは物語の構図として綺麗なのだが、間に一度捕らえられているし、他にもたくさんの人が投獄されまくり、そこから助けられまくっているので、なにも特別感がない。出来事の半分以上が、誰かが投獄され、それを助けに行く、助けた人が投獄される、助けに行く、と言ったことの繰り返しであるので、単純につまらない。

また、脚本は極めてご都合主義であり稚拙である。例えば幕府に協力する発明家として反幕派(紅ばち)に命を狙われながら、傷を負った紅ばちに手当を施す銭内の精神性は理解ができない。特別人がいいという描写もないので、ご都合主義に思える。また、紅ばちへの嫉妬から一人だけ捕縛されず投獄を逃れた紅ばちは裏切りものであるのでは、と猜疑心を持ったあぶくが仲間らに紅ばちへの不信感を募らせたり、玄白らが紅ばちは以前医者として携わった村だと気がつき投獄された紅ばちを助けに行ったり、そうした出来事があればそうした感情を持つことはおかしな流れではないが、舞台上で見ていると性急であり行動するまでの決定力に欠ける、予定調和な行動に感じられた。

それと人が多すぎる。

とにかく内容は好みでないし興味がないし稚拙さしか感じないので人物についてに移る。あと謎の恋愛推しが嫌い。

 

 

銭内はわりとなにを考えているのかわからない。自分の発明は世に認められるはずがないと知りながら、それでも認められることを願ってしまう。かわいい。しかし「たまや」が存在しないのに花火に対して「たまや」と掛け声をするのはおかしい。

衣装は着物っぽいのだが、裾にいくつかスリットが入っているので動くとすぐ生足が見えてあざとい。何度か脱ぐシーンもあるのであざとい。なにを隠してる!と紅ばちに糾弾されてなにも隠してない!と上半身をばっとはだけさせてから、着なおすときに照れたように笑っていたのが可愛すぎてちょっとよくわからない。銭内はどういう人なんだ。

考え方などが理系っぽくも技術者っぽくもないので余計に謎だ。偏屈かと思えば意外と無邪気だったり、かわいいが人物像や性格に一本通ったものが感じられない。

しかし演技が上手いからかあの脚本でもとりあえず説得力はあるように感じる。

 

ヒロインポジの紅ばちは典型的なキャラクターで可愛かった。兄と二人、幕府によって滅ぼされた村の生き残り。反幕派に拾われ、生き続け、幕府に抗うため人を殺せと兄に言われた通りに殺しの術を磨く。銭内と出会い、関わるうちに反幕派として戦うことに疑問を持ち始める。という流れはありきたりで美しいが、銭内は(憤りはありながらも)言いつけ通り兵器を作り続けているし、要所要所「ここを決定的なシーンにしたいのだろうな」と感じるやり取り以外では反幕派として戦うことに疑問を持つ流れはよくわからない。見せられるものからそう感じるというよりも、物語としてこうなるだろう、という想像の通りに動く感じ。キャラの描写としては銭内よりも筋が通っている。つんつんしていて可愛い。

 

銭内が作ったからくり人形であるオデンは、その位置づけのわりに相当空気が薄かった。中盤はなにしてたの? というくらい、ほとんど出てこない。銭内が紅ばちと二人でいることが多いからである。

初めから感情を持ち、銭内に恋をしているのだが、あまりにもからくり感がなく、普通の女の子であったのが個人的には好みでなかった。感情を抜いても判断などがあまりに人間的すぎる。惜しい。

 

元相棒である早矢手はかなりわかりやすく魅力的なキャラに描かれていたように思う。

銭内と同じ発明家としての道を歩みながら、袂を分かち幕府へとついたという経緯、出世を望みながらつまらない仕事をさせられる鬱憤、銭内への複雑な感情、おいしいどころが詰めこまれている。しかし銭内から早矢手に対しては、オデンによる伝聞以外ほとんどないのが残念。

 

靴磨きは十代かなという感じのかなり無邪気で幼い感じの青年で、それを小谷にさせるとは……あざとい……と言う他ないのだが、問題なく演じてしまうからすごい。あざと可愛かった。紅ばちが好きなのだろうと紅ばちの兄に指摘されて、きゃっと照れるところなどあざとさ天元突破である。かわいい。

 

田沼意次はすごくよかった。可愛らしい優男のような容貌ながら、人の上に立つ傲慢さと横暴さ、容赦のなさがある。

そして今回珍しい敵役ということで九十九の平野良を楽しみにしていたのだが、すごく、とても、良かった。オールバック、よい。かっこいい。渋い。キャストトークによるともっと低い声でより渋かったとか。なぜそのままにしてくれなかったのか……、しかしそうだったら格好良すぎて死んでいた。そうじゃなくてよかった。

ほんの少し普段のおちゃらけっぽい部分を残しつつ、真面目かつ渋い我欲に生きる敵役かっこよすぎる かっこよすぎる かっこよすぎ

と言ってもそこまで出てこない上、敵役感もいまいちない。田沼意次のほうがラスボスっぽい。とは言え特に倒すわけでもないのでなんともかんとも

 

 

総じてなにの話をしても脚本に帰ってきてしまう。とは言え話として整合性が取れていない、理解できない、なにがしたいのかわからない、というほどではない。なので俳優が好きなら悪くはないと思う。

折角感想系ブログを作ったので観劇レポもしていこうと思ったので書いたものの、今後毎度このテンションでやっていくのかと思うとどうなんだろう。